大人になること

『大人になんてなりたくねぇ!!』
 
なんかこんな台詞、ドラマとかでちらほら聞きます。
映画でも、漫画でも、小説でも。というか、自分が10代の頃は、少なからずそう思っていた。
 
なぜこんなこと想っていたのだろうか。
きっと、"大人なんてカッコ悪い生き物にはなりたくねぇ"
なんて、こんな想いから来るんだろうなぁ。
 
『私は永遠の18歳なの♪』なんて言っちゃったりする子がいるのも、ここに通じるものがあるのだろう。
 
そんな私も大学時代に、『永遠の17歳だし!!』とか、
訳のわからんことを言っていた記憶がある(笑
なぜ17歳と限定していたのか、正直謎。
 
で、大人になった今、その"大人"ってのが一体全体なんのか
正直よく分からなかった。
 
年金払えば大人なのか?
煙草吸って、酒飲めるようになれば大人なのか?
社会に出て働いて、税金納めれば大人なのか?
結婚して子どもができれば大人なのか?
 
その答え…と仰々しいことは言えないんだけど、
自分なりに思いついたことがあった。
 
それは
『現実を見つめ、それを受け入れ、世の中において自らの在るべき姿を描き行動する』
それが大人なんじゃないか、と。
 
生きていく上で"夢"は非常に重要なものだと思う。
それがない、あるいは途中で失われてしまうと
人生というものはとても空虚なものに感じられてしまう。
 
『なぜ、生きているんだろう…』
 
そこで夢を描く。ただ、夢を描くにも二通りある。
そのタイプとしては二種類、「理想家」と「夢想家」がいる。
 
田坂広志さんの言葉を借りると

「理想家」は、大きな夢を描き、その夢を語る。それも本気で語る。そして、その夢を実現するために、目の前の現実を変えようとする。
そのために、具体的な目標を設定し、行動計画を立て、それを実行していく。つまり、夢を実現するために変えるべきもっとも重要な現実が「自分」であることを知っているんだ。

 
でも、「夢想家」と呼ばれる人物は、心の中で夢らしきものを想い描く。
しかし、夢を語ることはしない。しても、本気では語らない。
あくまで「願望」として語る。熱弁を振るうことはできない。
そのため、具体的な目標も、行動計画も生まれてくることはない。
現実と対峙することによって、「夢から現実に引き戻される」ことを恐れているから。
 
「あ〜ぁ、会社がもっと業績よければなぁ…。」
「給料がもっとよければいい暮らしができるのに」
「宝くじ当たればいいなぁ〜」
「(漠然と)○○○○として成功したいなぁ」
「あいつがいるから俺がうまくいかないんだ…くそっ」
 
そんな感じで、少なからず人間大小の不満を持っている。
だから、愚痴として、酒の席などで出てきてしまうこともあるでしょう。
 
でも、それをずっと思い続けていたら、どうなってしまうだろう。
 
実際に、同じようなことを言っていたこともある。
「同期のやつらは家賃補助もらってるのに、実家が近いからって理由で家賃補助が出ない。
 社会人が独立して生計を立てるのは当たり前で、同じ仕事してるのに区別される理由がわからない。やるせない!!」
 
そんな話をしたら、ある人がこう言った。
「そんなこと言って、何が良くなるの?
 それが分かっててその会社選んだんでしょ?
 不満だったら自分で現実変えればいいじゃん。手段はあるんだから」
 
ショックだった…。何の気なしに愚痴ったつもりが、グサッと来た。
愚痴った内容は大したことじゃないが、自分が大した努力をしてないってことにも気づかされた。
 
大人になるっって〜ことは、恥ずかしいことでも何でもない。
人間として成長している証拠なんだから。
 
でもね、これを実現するのはとっても難しいことなんだ。
 
ただ漠然と生きているだけじゃダメなんだ。
会社に長年勤めて役職が就いただけじゃダメなんだ。
夢を描いたからイイって訳でもないんだ。
 
日々に流され、楽しいことだけを意識し、気づけば国が敷いていたレールに乗っているだけじゃ
いつまで経っても子どもと変わらないんだ。
 
皆が大人の階段を上れば、きっと、この世界はさらによくなる。。。かなぁ?笑
そう信じて生きていこう。